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<位置>
南仏ラングドッグ地方、カルカソンヌの西方およそ20km、サン・マルタン・ル・ヴィエイユという小さな村からさらに人里離れた森の中に、ヴィルロング・旧シトー会修道院の廃墟はある。

<修道院概要>
ヴィルロング修道院は1149年に創設され、当時は現在の地よりも少し北東にあった。現在の修道院は、1165年から1178年にかけて、土地の領主等からの寄進を受け、創設時の場所から移ってきたものである。現在遺構として遺る石造の教会堂もこの頃、概ね1180年ころから建設が始まったとされる。
現在は個人の所有となり、手厚く保護、活用されている。

<教会堂概要>
ヴィルロング修道院の教会堂遺構は、内陣、袖廊、袖廊祭室の各ベイに四分交差リブ・ヴォールトを備え、交差部と身廊の遺された部分にも四分交差リブ・ヴォールトの痕跡があるため、長らく13世ゴシックの遺構と考えられてきた。
しかし、考古学的調査に基づいたB・ショーヴァンによると、建設時期に従ってヴィルロング第 I 教会堂、第 II 教会堂、さらには第 III 教会堂までもが想定できるという。
至聖所南壁にある尖頭アーチの高窓、至聖所東端壁の薔薇窓等、ゴシックの意匠のものは全てヴィルロング第 II 教会堂に属する。また、目視観察でも、ショーヴァンの言う境界線を境に、使用された石の種類が異なっている。
つまり、床レベルで表れる教会堂平面は、ヴィルロング第 I 教会堂であり、フォントネ、レスカール=デュ、シルバネスなどと同様、12世紀中に建設が開始された聖ベルナールの美学が未だそこに認められ得る平面ということになる。