＜位置＞
西部フランス、メーヌ地方、メイエンヌ県のレンヌとル・マンのほぼ中間地点にあるラヴァルの近郊、オリヴェに、クレルモン・旧シトー会修道院の廃虚はある。

＜修道院概要＞
クレルモン修道院は、この土地のラヴァル伯の働きかけにより、1152年に聖ベルナールが、クレルヴォーの娘修道院として設立した修道院である。

＜教会堂の建築について＞
クレルモン修道院教会堂の建設年代については、12世紀の最後の四半世紀の間に建設されたであろうということしか知られていない。
平面的には「ベルナール式平面」の代表例の一つであり、デティールにまで及ぶ単純明解で厳格な印象を与えるその無装飾の建築は、なお重厚な細部意匠を残すとも言えるフォントネ以上にシトー会的であるとも言え、ブルゴーニュの建築形態である「ベルナール式平面」のフランス西部への最初の移植といわれる。

この教会堂は、袖廊祭室を除いて、建設の当初より石造ヴォールト天井は計画されず、現在は木造小屋組露しになっている。ブルゴーニュ起源の「ベルナール式平面」でありながらも、こうしたところにノルマンディーやブルターニュといったこのあたりの地方の影響が窺えるという。