<位置>
フランス南東部プロヴァンス地方、アヴィニヨンの東約40km、避暑地として名高いゴルドの北に位置する峡谷の谷底に建つ。
<修道院概要>
ル・トロネ、シルヴァカンヌとともに「プロヴァンスの三姉妹」と呼ばれ、その簡素にして簡明、厳格な建築意匠、空間が、優れてシトー会の美学を物語るものであるとして、特に有名な修道院である。
現在も修道院として使用が続けられているセナンクは、建物の保存状態も非常に良く、エギュベール修道院とならんで、中世のシトー会の建築を生きた空間として理解させてくれる貴重な存在である。
<教会堂の建築について>
特に東斜面が険しく狭い谷底に建つという敷地形状のため、教会堂は北側にアプシスが来る向きに建てられ、教会堂としては例外的な配置がなされており、回廊は教会堂の西側に建つ。