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保存されたエノキの木陰から臨む校舎
歴史のある出石中学校には頼もしい大木が何本もあった。保存が原則。やむなく切り倒した木の幹でベンチを作り、保存できたエノキの木陰に置く。町民から寄贈された庭石を配して「木陰の読書コーナー」である。
DATA
設計時期: 1998年
発注者: 兵庫県出石町
設計監理: 宮脇檀建築研究室
外構担当: アトリエ・クロワートル
施工: 株式会社 川嶋建設
町の風景に馴染み、町の人々の心にとけ込むことを目指し、出石の自然と暮らしの中で飄々と自然体で建つ建築にしようと、当たり前のものをきちんと作ろうと努めた外構である。

「大地は神様のもの、あまり触らないように。」示唆に富むメモが積み上がる宮脇檀氏との打合せは、氏の急逝で計画半ばに途絶えた。明快な意図と強い意志を持ちながら、表面的にはごく普通の景色になること。それが氏の遺志であると解して、計画を進める。

この中学校は、町に1つしかない中学校。ということは、町の人々全員が通過する空間である。世代を越えて心を結びつける共通項を絶やしてはいけない。町の人々の記憶の断片を蓄積しようと、旧中学校に残る石材や樹木など、使えるものは全て使う。
が、あくまで主役は「人」であり、「もの」ではない。さりげなく、しかし、しっかりと子供達の活動を支える空間にせねばならない。「出石らしい学校にしような。良い学校にしよう。」という宮脇氏の簡明な言葉に応えるべく、遺されたスケッチをひとつずつ形にして、出石中学校は出来上がった。

手垢に光る木の教室を実現しようとする建築に呼応して、自然な経年変化が期待できる素材を選び風雪に鍛えられて輝きを増す外構になればと腐心した。
町道に沿うアプローチ
旧正門の位置に設けたポケットパーク
校名を刻んだ庭石と、コミカルな石のスツールが並ぶ。
卒業式の日など、この石のスツールに座って子供達は写真を撮る。
運動場「観覧席」と、自転車置場
旧藩校の石組みの石が放置されているのを町内で見つけ、お願いして再利用した。法面に配し観覧席のつもり。
自転車置場のレンガ塀は極めて低い。子供達の会話がこの法面にも溢れるように。
中庭を囲む回廊
各教室からこの回廊を介して中庭に出ることが出来る。
校舎正面玄関前の庭
左手に見えるのは町道。
出石中学校にはフェンスも塀も無く、町に対して全くオープンである。