提案された計画案を眺めながら、計画検討におけるチェックポイントや内装工事の注意点などアドバイスしたが、結果的に設計および工事監理を委託されることとなった。
自己資金のみで開業し経営状態を見ながら徐々に拡充しようという施主の方針に従い、開院当初の快適性・機能性はもちろんのこと、将来、医療機器やスタッフが拡充されることに対応できる計画が求められた。
機器類の著しい進歩や医療市場の変化、さらには医療に関する制度の変化など外的要因の変化の著しい状況では、拡充計画を長期にわたって詳細に見通すことは難しい。そこで、空間的には極めて単純な構成とし、大きな「箱」のような室内を移動可能なパネルや収納家具で仕切って使いこなすという計画とした。
一方で、増加するであろう医療機器への対応として可能な限り多くのコンセントを用意した。
昨今のテナント内装工事で常に悩ませられる課題のひとつが電気容量の不足である。本医院でも、既設の電気容量では不安があったため、テナントに給電する電気幹線を、テナントとして可能な限度一杯に拡充する工事を行った。
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