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京都下鴨の住宅地に建つ夫婦+子供1人のための戸建て住宅である。

日頃から住宅雑誌に親しみ吉村順三や宮脇檀の設計が好みという施主夫婦は、自分たちの住宅新築にあたり彼らに師事した建築家に設計を依頼しようと考え、宮脇檀建築研究室の元所員の紹介によって我々と出会うこととなった。
吉村・宮脇が好みとなると、我々自身の住まいに対する考え方と共感することが多く、TNK邸の設計検討は当初より意志疎通がスムーズなものであった。と同時に、闊達にはずむ会話の楽しさのせいもあって、設計期間に比して打合せ回数の極めて多い検討作業であった。

3人家族の住まいを計画するのには十分とはいえ決して広くはない敷地に、希望諸室の大きさや仕様と建築予算との関係からはローコストの徹底が必至という組合せは、小住宅設計の典型的なパターンである。 材料・工法でローコストを求めつつ、空間構成で豊かさを追求するという、これまた典型的パターンのひとつで取り組むこととなる。

外観的には、切妻屋根で覆われた木造総2階建で、ガレージもその中に取り込んでいる。内部空間は、階段を納めた吹抜空間が東西に貫き、その吹抜を南北から挟むように諸室が取り付くという構成である。
しごく単純な構成であるが、食事室とした吹抜空間は、住宅全体を動線的にも視覚的にも結びつけ、家族全員の日常が上下左右に交錯交流するダイナミックな空間となった。
朝日の溢れる食事室に、台所からカウンター越しに身を乗り出してお母さんが朝食を告げる。その声は吹抜けを介して子供部屋や主寝室に届き、各々の窓から返事を返すお子さんやお父さん。その、家族全員の視線や声が吹抜で絡むTNK邸の朝は、快活で暖かい家族の営みを強く感じる瞬間である。
DATA
設計時期:2003年
発注者:個人
設計監理:アトリエ・クロワートル
施工:熊倉建匠

ロフトより食事室を見下ろす
北東より見た外観
2階・サービスバルコニー
リビングルーム
食事室からリビングルームを見る
主寝室
食事室より吹抜けを見上げる
台所
家事室を兼ねる洗面脱衣室。
洗面カウンター